私の1980年代は15歳から25歳まで。ちょうど青春時代にあたります。監督という仕事をしているので「昔から映画が好きでしたか?」という質問をよくされますが、確かに子供のころから映画が好きでした。小学生のころまでは親に連れられて、中学生になるとひとりで映画を見に行くようになり、高校生になるとかなりマニアックなものを知った顔で観るようになりました。何回観ても同じところで寝てしまい、実は全部観ていないのに「あれいいよな」と言ってみたかった時期でした。そのころの作品で「去年マリアンバートで」というアラン・レネの作品があります。これは、意味が全く分からない不条理映画でやはり途中で寝てしまうのですが、何度も見たくなる不思議な作品でした。当時は理解できるわけもなく、ただ印象的だっただけなのですが、やっと最近になって全部観ました。今更ですがいい作品ですね、これは。